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食材の効能
饅頭の起源と由来 食材の切り方 薬膳の話 日本で最初にラーメンを食べたのは 中華料理と中国料理




■起源は諸説

 餃子の起源には諸説あり、必ずしも中国とは限らない。
 中国では漢の時代(紀元前206年~)から小麦粉を使った皮で調理が行われていたとされ、中国北部の地域限定で皮に肉や魚、野菜を包み、煮たり茹でたりして食べていたと思われ、食べ物の痕跡も確認されており、信憑性は高い。その当時は名称こそ「餃子」ではないが、これが餃子の始まりだといわれている。
 中国の明の時代(1368年~)になって正式な名称「餃子(ジャオズ)」が誕生し、これが私たちが身近に食べている餃子の元と思われる。
 しかし、紀元前3000年頃に古代メソポタミア文明の遺跡から小麦粉の皮で具を包んで加熱した餃子のような食べ物が見つかっているなど、餃子のような形で小麦粉の皮を使った料理は世界の各地でも見つかっている。
 中国のお隣ロシアでは、「ロシア餃子」と呼ばれる家庭料理「ペリメニ」があり、これも、中国本来の「餃子」である「水餃子」に近いもので、他に東欧諸国でも近いものがあり、原型を思わせるに十分なもの。
 原型がどこからきているのかという店については諸説あり、不明なのが実際のところと言える。
■中国での餃子の由来
 中国には餃子の由来についてたくさんの伝承や民話があります。その中でも特に一般的なのは、初めて餃子を作ったのは漢方医学の名人張 機(又は張 仲景、150年? - 219年)だというもの。
《ある寒い冬の日に、張 機は帰り道に、とても貧しい村を通りかかった。その村には寒さをしのぐのに十分な服も、体を温める食べ物もなく、村の人たちは耳に凍傷を起こしていた。これを見た張 機は村の人たちを助けたいと思い、体を温めるスパイスや漢方薬をラム肉と一緒に煮込み、完成したシチューを小分けにし、小麦粉で作った皮で包み、それを温かいスープに入れて、村の人々に振る舞った。
 張 機は冬の間中ずっと料理を作り続け、旧正月の大晦日までに村人たちの凍傷がみるみるうちに治った。喜んだ村の人々はこれをお祝いするため、張 機が作っていた料理を再現し、大晦日の夜に食べるようになった》これが餃子の原型だと言う説である。


■中国の餃子は「水餃子」
 日本で餃子といえば焼き餃子が一般的。一方で中国では焼き餃子ではなくて水餃子か蒸し餃子が主流で、そもそもは貴族の食べ物として認知されていた。
 日本流の焼き餃子は、中国で言う「煎餃子」で、この餃子は元々貴族が残した水餃子を使用人が焼き直して食べるものだったと言われる。
 既に茹でて御膳に出した水餃子を。もう一度茹で直して食べても美味しくないので、「焼いて食べる」という使用人の知恵で工夫して食べられていたのが成り立ちと言われる。
■餃子は主食。ニンニク入りは日本独自
 水餃子は、日本で食べられるものより皮が厚く、モチモチとした食感が特徴で、一度に食べる量も大量です。
 日本では、ごはんやラーメンなどの主食のおかずとして食べられますが、中国では、主食として食べられるため違いが生まれたと思われます。
 また、中国の餃子にはニンニクは入れず、黒酢につけて食べるのが一般的です。
 中国では春節(中国の旧正月)前後の行事や、めでたい席で餃子を食べます。その理由の一つは、餃子の形が清朝まで使われていた貨幣の「馬蹄銀(元宝銭)」に似ていることから、「お金に恵まれるように」という願いがこめられていたからだと言われています。餃子を正月元旦に食べる決まりは明代から始まったともいわれ、餃子の中に物(小銭、銀貨、宝石など)を包み、この餃子に当たった人は、この年の幸多きことが約束されるといった運試しのような遊びもあります。
 他に、なつめ、落花生、栗の実、なども餡に入れます。なつめを食べる人は、新年を甘く感じさせ、幸せな日々を送ることができます。落花生を食べる人は健康長寿を象徴するといういみがあるとのこと。また、大晦日の日に家族団らんで餃子を作ることが伝統で、餃子を包む際には、生地を折る回数が多いほど縁起が良いとのこと!

■餃子の読み方
 また、餃子の中国語読みは「ジャオズ」ですが、その読みが、「交子(ジャオズ):子が交わる、子を授かるを意味する」という言葉と音が同じことから、「子供に恵まれるように」との願いも込められていると言われています。 このように、餃子は中国ではとてもめでたい食べ物だと考えられています。

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